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山の音、夜列車の灯り 〜信濃でうつうつと〜

思い立って、長野のおばあちゃんの家に来てしまいました。駅で5枚綴りの青春18切符を買って、9月10日までに使い切れるかなんてことも考えずに電車に飛び乗っていました。本数冊とノートと、鉛筆と着替えと、そしてなぜか水着をリュックに詰め込んで。お昼に家でそうめんを食べてそれから出たので、ついたのは夜9時近くでした。無人駅で降り立ったのは私以外誰もいません。真っ暗な畦道を歩いて天竜川を渡って、小さな集落の真ん中あたりにあるおばあちゃんの家にたどり着きました。山には山気が立ちこめています。おばあちゃんはすでに亡くなっているので今は誰も住んでいません。なので電気も水道も通っていません。鍵を開け、真っ暗な二階にあがっていきます。何も見えないので何もできませんが、風だけは通したいと思って2階の窓という窓を開けました。夜の冷たい風が家を通り抜けました。

翌朝、寒くて目が覚めました。東京は暑くてそれに耐えきれず飛び出してきたので、半袖しか持っていませんでした。掛け布団には得体の知れない虫がいそうなので敷き布団しかしいていませんでした。震えながらシーツに包まりました。
電気がないので一日の動ける時間は限られています。しとしと雨が降ったり止んだりで、いつも以上に暗くなるのが早い。最近は家で去年行ったスペイン巡礼の旅の記録をまとめていたのですが集中力がなくて参っていました。ここで一段落するまで粘ることにしました。帰る日は未定。長野らしいことは何もしない、長野らしいものは何も食べない毎日になりそうです。

お風呂だけは近くの小さな山のてっぺんに宿があって、そこで日帰り入浴ができます。その側に公共の温泉施設もあります。日替わりで温泉三昧。日のある時間は家で過ごし、暗くなる前に山に出かけ、裏のため池を眺めながら露天風呂に浸かります。極楽、極楽。温泉があれば何もいらないと思ってしまいました。宿の喫茶室には「パンケーキ+コーヒーで500円」という朝食のようなメニューしかないのでそれを食べて空腹をしのぎました。

夜風にあたりながらまた登ってきた山道を下りていきます。一時間に一本しか走っていない2両列車がやってくる音がここまで聞こえてきます。山に囲まれているので列車の窓から漏れる明かりがよく見えます。段々斜面になっていく線路を進む様子は、まるで「銀河鉄道の夜」の世界を見ているようです。友達とひさびさに長電話をしました。その余韻に浸りながら、また静かな家に帰るのでした。
| つれづれ旅ばなし/日本編 | 11:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
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