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山に流れる秋時間 〜栃木・鹿沼ツアー〜

「あそこだけなんか違う時間が流れてるから、ぜひ行ってみてほしい」と友達に勧められたカフェがありました。栃木県の鹿沼から車で30分ほどいった日光市にあたる場所で、さほど街と標高差がある訳でもないのにその辺りにいくと車窓から吹き込んでくる風がぐんと冷えこみました。道は平らな一本道で隣に日光線が並走しています。白い花をつけた花畑を見かけ、初めはなんだろうと思っていましたが、土地柄から考えるとソバの花のようです。素朴で控えめな野花のような花。気づけば右も左もソバ畑が広がっていました。途中からは線路の代わりに川が流れていました。ちらりと見えた川の水があまりに青かったので車を止めて川を見下ろしました。鮎なのか、魚が動き回っているのが崖の上からでも見えました。川釣りをしているおっちゃんを2人ほど見かけましたが、これだけ見えてしまうとお互い身の隠しようがないので釣りやすいのか、釣りにくいのか、、そこは腕の見せ所です。

その川のある道からちょっと逸れた道を上ったところに「清流園 山小屋カフェ」はありました。栃木百名山に数えられる笹目倉山という山の入り口で、周囲は山に抱かれていてとても静かな場所です。駐車場から坂をトコトコ登っていくと私たちに気がついて店主のヒデさんが玄関先までやってきて出迎えてくれました。旧来の友達を迎え入れるような穏やかな笑顔に、一緒にきた友達は2人して「また来ます!」と。「まだ来たばっかりでしょ」と突っ込むと「ああ、そうだった」といいながら、そういいたくなるのもわかるなと妙に納得。この場所と景色と彼の人柄がとてもあっているのです。
バナナジュースとボンゴレを注文して、裏の山を散策に出掛けました。道はぬかるんだところがあって歩くと足跡がくっきりとつきました。草むらを分け入り登っていくうちに太陽がさんさんと降り注いできます。セーターを着ていて、その上からダウンも着ていたので防寒対策ばっちりでしたが登っていくうちに暑くなって脱ぎました。この強い太陽の日差しと草の生い茂り感といい、なんだかネパールの山奥にやってきたようです。登った所にはおじいさんが山から自力で水を引いて作ったという滝がありました。彼の名前をとって「久次滝」と呼ばれるようになったそうな。その時の御年88歳。力強い文字で書かれた案内の看板を見て恐れ入りました、と頭が下がる思いでした。

ほんとうは昨日、仲間たちと来てここに泊めてもらう予定でした。でも先週の台風で山が崩れ、泊めてもらうどころか店の営業すら危うい状況となってしまいました。家の中はなんとか被害を免れたそうですが、玄関先まで土砂が流れてきたそうです。東北支援のために結成したボランティアチームが20人近く手伝いにきてくれました。「もう店できないなって思っていたんだけど、前よりきれいになっちゃって」とヒデさんは再開できる喜びをひしひしと噛み締めている様子でした。今日はめでたく、その再開1日目でした。あまりに外が気持ちいいので、山から戻ってきてもそのまま玄関先の椅子でお茶することにしました。このあたりは湧き水が流れていたのですが、その配管も土砂に埋まって絶望的だったといいます。でも思いがけずまったく違う場所から見つかり、その“奇跡の1杯”を汲んでもってきてくれました。そして白い器で飲むバナナジュースもまたおいしい。お土産にもっていった梨と、プラスで葡萄まで出してもらい、秋の山を見ながら、秋の味覚を楽しみました。遠くで鳶が気持ち良さそうに旋回していました。坂を上ってきた分、川からかなり遠ざかっていますがここからでも随分と川のせせらぎが聞こえてきます。川があんなに透明できれいなのは、台風が来て全部をさらっていってしまったからなのだと言います。また少しすれば元の川に戻ってしまいます。荒々しい台風が去ったあとの一瞬の美しい瞬間に出会え、ずいぶんいい時に居合わせてしまったのだなと思いました。自然が元通りになるのはとても時間がかかることなのだけど、自然にまかせてゆっくり気長に待ちましょう。

清流園 山小屋cafe
栃木県日光市南小来川2-1
12:00〜20:00 不定休
☎0288-63-3260
| つれづれ旅ばなし/日本編 | 09:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
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